2008-12-14

地球温暖化論のウソとワナ

地球温暖化論のウソとワナ (単行本(ソフトカバー))
渡辺 正 (著), 伊藤 公紀 (著)
ベストセラーズ (2008/4/26)

地球温暖化論とは、何なのかを考えさせる本。

著者たちは、二酸化炭素が増加しているという事実を認めた上で、次の3点を主張します

(1)現在の温暖化論は、二酸化炭素の温室効果を
過大に見積もっている。温室効果の点で言えば
もっと注目すべきガスは、他にもある

(2)温暖化論の火付け役となった数値シュミレーション(温暖化モデル)の結果は、皆が信じるほどアテになるものではない。そもそも、計算に用いた観測データ(気温)の妥当性自体がアヤシイ。

(3)現在の温暖化は、気候変動の一部。過去にも、現在と同程度の気候変動は何度もあった。
じつは、二酸化炭素が増加している真っ只中の1970年代の科学者は、地球が氷河期に向かっていることを心配したことがあった。

どうも、この本を読む限り、温暖化が人為由来なのか、さらに、そもそも地球温暖化自体が事実なのか、と言うことについて、科学者の間で強い合意があるわけではないようだ。

むしろ、現在の温暖化論は、温暖化を主張して得する人達(政治家・マスコミ・温暖化論を主張する科学者)が、自分の名誉や利益を得るための道具となっている、、、

なかなか刺激的な主張です。
その意味で、地球温暖化論は、常温核融合のような
科学スキャンダルになりうる、という著者たちの主張も頷けます。

ただし、「利益が付随する主張は間違っている」という主張は、ヘンだと思いました。
というのも、「利益が付随する主張」でも、社会がよりよい方向へ向かえばよいからです。むしろ、「利益が付随する主張」から利益を得ることで、より良い社会を実現することが重要なのだろうと思います。

疑問だったのは、本当に、このまま二酸化炭素の増加を、完全にムシしてよいのか?と言うこと
気候変動には関係ないとしても、二酸化炭素増加自体の
アセスメントは必要な気がしました

あと、内容が立派なだけに、ゴア本の批判は、
かえって主張を貶めている気がしました

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