2012-03-10

だれもビジネスセンスなんて持ってない

ここ1~2ヶ月、最近のBig Data祭りに異を唱える、というか、そんなに簡単に、明るい未来が来るわけないじゃん的な意見を表明するブログをいくつか見かけました。たとえば、、、、ですよ

2012年03月05日 株式会社Albert
分析力アップのための組織づくり(山川義介)
http://www.albert2005.co.jp/blog/archives/201203/05_140501.html

2012年03月02日 Defining the Future 
ビジネスを知らぬデータマイナー
http://noglog.com/archives/51329008.html

といったあたり。

まあ、書いてあることを読むと、まあ、そうだよなーなどと漠然と思ったりするわけです。が、この手のブログを読むにつけて、オレも、去年の冬以降、何回も何回も、クドクド、ウジウジ、同じようなこと書いていたよなーなどと思いだして、まあ、感慨深いわけです。

データアナリスト関連のそぞろ日記

2012-02-10 分かるといえばわかる。けど、賛同できない
http://pyonkichihiroshi.blogspot.com/2012/02/blog-post_10.html

2011-10-12 IBM大和研究所講演会
http://pyonkichihiroshi.blogspot.com/2011/10/ibm.html

2011-08-27 データマイニングエンジニアの求人3
http://pyonkichihiroshi.blogspot.com/2011/08/3.html

2011-02-27 データアナリストの求人2
http://pyonkichihiroshi.blogspot.com/2011/02/2.html

2011-02-17 データマイニングエンジニアの求人
http://pyonkichihiroshi.blogspot.com/2011/02/blog-post.html

 ところで、ですよ。Albertのシャチョーさんにしても、Defining--のお方にしても、分析者にはビジネスセンスがない、、、といか、ビジネスセンスがなきゃだめだ的なことをおっしゃっています。で、それは全くそのとおりだなーなどと思うのですが、一方で、分析ができないサラリーマンに、すごいビジネスセンスがあるかといわれれば、決してそんなわけでないワケで。もっといえば、分析できようができまいが、普通のサラリーマンのほとんどは、ビジネスセンスなんてないと思うんですよ。

むしろ、データ分析すると、分析者のビジネスセンスのなさが露見するんだろうと思います。

ふつう分析すると、自社のビジネスの「至近的」な欠点が露骨に見えてくる。がしかし、至近的な欠点が分かったからといって、いや、至近的な欠点だからこそ、欠点をカバーできる戦略が、簡単にみつかるわけない。むしろ、戦略構築とは、欠点を知ったところから、もっといえば、今の欠点を、未来の長所に転換するにはどうすべきか?をアレコレと考え始めるとこから始まるはず。でも、こんなの、そう簡単には結論が出ない。だから、みんな悩むわけですよ。

で、そんな状況を知ってか知らずか、ナイーブな分析者は、分析結果に基づいて気軽なRecommendationをすることがある。たとえば、自社商品が若者に買われていないから調子が悪いとする。ナイーブな分析者は、若者がほしい商品をつくれば、不調から抜け出せます、、、、と気軽に言うわけです。で、報告を受けるほうから言えば、それができれば苦労しねーよ、、、、ってなわけです。だから、分析者はビジネスセンスがないといわれる。まあ、だからとって、報告を受けるほうが、解決策につながる打ち手を思いつくかといえば、そんなこともないわけです。

スティーブジョブスはリサーチなんていらないといったとか、いわないとか。それは、ジョブスが、ささいな情報からでも、鋭い打ち手を構築できたからなんでしょう。でも、ジョブスがリサーチを知っていたら、情報におぼれない限り、もっとすごい状況を、もっと早く作り出せたのかもしれない、、、などとつれづれ思うわけなのでございました。