2010-06-05

誤用リサーチャーは、御用だぜ!

よく見るブログのマーケティングリサーチ寺子屋さんに、統計学用語の誤用例が載っていました。
孫引きになって面倒なので、かいつまんでまとめてみました。

マーケティングリサーチの寺子屋
「母数」と「サンプル数」の本来の意味は?
http://link-kobo.no-blog.jp/research/2010/05/post.html

【主張】
サンプル数とサンプルサイズ、そして母数と分母とをごちゃ混ぜにしているリサーチャーがいて、けしからん。そいつらは、まったくもってリサーチャーとしてのプロ意識に欠けている。

【サンプル数の誤用】
(誤り)サンプリングした対象者数
(正しい)サンプリングする対象の標本の数
⇒サンプリングした対象者数:サンプルサイズ(標本の大きさ)

【母数の誤用】
(誤り)分母のこと
(正しい)母集団の特性値(標本から推定する母集団の値)

全くもって正論。
がしかし、この正論が、わが社で通じる可能性は皆無かな。残念ながら。

たぶん、(昨今の?)リサーチャーは、分析手段の正しさよりも、分析結果の含意を「手早く」読み取ることを重視していると思います。現在の彼らのミッションは、戦略立案に役立つ調査結果を「手早く」だすことです。(表立っては絶対言わないだろうけど)統計学を正しく使うことは、彼らに求められてません。だから、統計学的にどうの、、、といったところで、口先では立派ですね、というかもしれないけど、心の底ではハナで笑わってるのが現実かもしれません。

まじめに考えれば、調査・分析手法を正しく理解してはじめて、データの含意を読み解くことができる。でも、ネット調査会社が台頭して以来、そんな風にまじめに仕事する余裕など皆無。悪いことに、最近では含意の読み取りすら求められなくなりつつあるような(⇒とにかく、早く安くデータをだせ!)、、、、、。

不適切なワーディングの調査票、企画力の低レベル化、集計ミスの多発など、、、若手リサーチャーに対する最近の批判は、用語の誤用に限らない気がする。しかし、それもこれも、安直なネット調査の台頭をゆるした弊害だと思えてならない。そして、そんな調査の台頭を許したかつてのリサーチャーたちは、正しい市場調査の有効性を根付かせられなかったことに、大きな責任を感じるべきだと思うのですが、、、、、