2012-12-16

現実とデータと理論の狭間

明治大学の水野先生のブログは常日頃からチェックしています。で、さすが水野先生、こんな記事を書いていらっしゃいました。

関東学生マーケティング大会@早稲田

二次審査と最終審査を聴いたが,その範囲ではどの発表も「問題意識→予備調査→既存研究のサーベイ→仮説の設定→質問紙調査→仮説検証(ほとんどが共分散構造分析を使用)→マーケティングプランの提案」という形式を踏んでいた。これがデファクトスタンダードなのだろうか。 

(中略)

 ただし,そうした方向性に,審査員となった日本を代表する企業のマーケターたちは多少違和感を感じていたかもしれない。最後の講評での「来年からは共分散構造分析は禁止したらどうかと他の審査員と話していた」というジョークが,それを端的に表していたように思う。

(中略) 

しかしその結果,ビビッドな問題意識があまりに一般的な,驚きのない命題に回収されていないか。実務家たちはそこを残念だと感じたと推察する


まあ、なんでしょうね。いったい、なにをどんな感じで発表したかまったく検討がつきませんが、この手のことは、別に学生が発表したからおこった、とは思えないのが他人事と見逃せない所以なわけです。

おそらく、面白いと思える結果とは、目のつけ所や疑問の持ち方に依存しているのであって、難しい技術をつかうとか、高度な理論をつかうといったこととは無関係という気がする。

言い換えれば、面白い結果は、マーケターのおかれている商品の売り上げ状況とか、社内のプレッシャーとか、その人自身が重視する問題意識しだいだと思う。だから、そもそもサラリーマン生活の経験や、マーケターとしての経験がない学生に面白い分析しろといったところで、土台無理な話。

まあ、それは学生にかぎらなくて、お金をもらって調査する人もおなじで、お客さんであるマーケターが置かれている環境なんて、社外から、そうそうわかるわけないし、わかるとしたらかなりの経験を積むか、あるいは、それなりに深い付き合いしなきゃいけないはず。

いつも思うけど、知りたい答えは、置かれた現実とデータと理論の中間のどこかにある気がする。でも、どの中間かがわからないところが問題、、、、なのでしょうね。

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