2018-01-21

モテキ

モテキ(2011) 東宝



さえない30男が、ある日突然、美女からモテるようになって当惑するラブコメディー

女性向けの'シンデレラストーリー'の映画やドラマはたくさんあるけど、というか、ほとんどがそうだけど、男性版の'シンデレラストーリー'は、滅多にお目にかからないように思う。モテキは、簡単に言ってしまえば、男性版シンデレラストーリーだ

女性版シンデレラストーリーは、わかりやすい。例えば、見た目も生活も地味な派遣OLが、ある日突然、3K(高収入・高学歴・高身長)を絵にかいたような男性に見初められる。自信がない自分を、地位も名誉も金もある男が、自分の中に隠されていた美貌や才能を引き出し、美しく才能豊かな女性に成長していく、といったパターンだ。

モテキの主人公の幸世は、30にもなるのに、出版社の派遣フリーライターの上に、仕事もできない。その上、部屋は汚いわ、仕事場でも、童貞童貞と言ってバカにされている、何のとりえもない男。がしかし、なんだか知らないけど、ある日突然モテるようになるのは、まさに男性版シンデレラストーリーそのものだ。だけど、この映画が女性版と違うところがあるとすれば、主人公の幸世は、最後まで、さえないバカな男というところだ。劇中を通して、仕事上でも人間としても、なんら成長がないグダグダ感満載の幸世だが、最後の最後で、いったんフラれたはずのヒロインの長澤まさみと結ばれてしまう。女性は、男性のサポートで、自分の成長を願い、男性は、女性が、ダメな自分をそのまま愛してくれることを望んでいる、とも読める。

劇中を通して、長澤まさみは、驚異的な可愛さがあった。見た目はもちろんのこと、愛嬌の良さ、気立ての良さ、尻の軽さは、男性を引きつけてやまないと思われる。音楽も良かった。ただ、今聞くと、何となく時代を感じる選曲でもある。

男性に自己肯定感と女性に対する自信を与えてくれる映画

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