2014-02-08

シグナル&ノイズ ネイト・シルバー

シグナル&ノイズ 天才データアナリストの「予測学」
ネイト・シルバー

シグナル&ノイズ 天才データアナリストの「予測学」


ここ数年続いているビッグデータ祭りは、収束するどころかどんどん大きくなっている。で、そんな中で、同業者、というにはあまりにも偉大な著者が、予測、もっとおおざっぱにいえばデータ分析をする時の心構えをまとめた本

ネイトは、スポーツからギャンブルといったやわらかい話題から、サブプライム問題、天気予報、地球温暖化といった硬い話題まで、予測するためのノウハウをまとめてた。こんなにもたくさんの話題を扱い、そして統計学からシスムダイナミクスによる予測まで論じられるのは、本当に素晴らしいと思う

だけど、正直な話、野球の話は読んでいておもしろかったけど、それ以外は退屈だった

予測が難しい分野、たとえば地球温暖化や世界経済などを取り上げて、この分野の予測は当たっていないと批判するのだけど、当たっていない理由がpoorなのだ。例えば、信頼区間を考慮していないとか、予測結果を謙虚に検証していないからだとか、そんな話の連続で辟易した。簡単に言ってしまえば、頑張って書いた大学生の卒論みたいな内容なのですよ。あと、ベイズを賞賛しているしている理由もよくわからなかった。頻度主義というか今主流の統計学で足らない部分があるのは事実なんだろし、今後ベイズを使う場面は増えるのだろうけど、ベイズが全てを取って代わるとも思えない。実験計画法と分散分析・社会調査・計量経済学などオーソドックスな統計学は、Fisherを祖とする分野そのもののだし、これらの分野がベイズによって劇的にかわる気もしない。

いずれにしても、買うほどではなかったとかなり後悔

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