企業を高めるブランド戦略 (講談社現代新書) (新書)
田中 洋 (著)
講談社 (2002/09)
ブランド戦略に対する著者の経験を、それっぽくまとめた本。
近年、マーケティングの世界では、ブランドこそが、商品を売る上で重要な要因だとよく言われます。
なぜか?
僕の考えでは、従来の(コトラー流の)マーケティングとは、いわゆる流通戦略と商品戦略のこと。実際、コトラー流のマーケティングテキストを読むと、4PとSTPが話の中心だ。
ところが近年、この論理構造に抜けている視点があると言われだした。それが、
「生活者の情緒と便益」
と言う視点だ。
コトラー流のマーケティングは、ある意味で論理的。
STPや4Pに、情緒が入り込む余地は、あまりない。
しかし、商品を使う生活者は、情緒のカタマリ。
情緒のカタマリの生活者は、情緒を伴った便益で商品の良し悪しを判断する。だったら、商品の起点を、生活者の情緒による便益に求めればよい。、生活者の便益をブランド思想の中で代弁する、これこそが、ブランド論の根拠だろう。
この本では、著者の企業人としての豊富な経験から、
成功するブランドの条件を簡潔にまとめている。
なるほど、と思わせる事例も多いし、話は具体的だ
がしかし、、、
ブランド論こそが、本当に商品が成功するための条件なのかは、この本からは全く分からない。
確かに、成功したブランドの事例も多くあげられていた。
しかし、ブランドの成功と商品の成功を、こんなにも
単純に結び付けられるのか、大きな疑問が残った
その意味で、この本を読んで明らかになったのは、著者はブランド論を信じている、ということだけだった。
まあ、こんなもんかもしれない。
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