2008-12-21

何を知りたいのか?

あなたが知りたいのは誰ですか?(代表性の話)
(マーケティング・リサーチの寺子屋・2008/12/21)

http://link-kobo.no-blog.jp/research/2008/12/post_1a8b.htmll

まずは、つぎのニュースリリースと、詳細データをごらんください。

高齢者におけるパソコン・ネットの利用動向に関する調査
(株式会社NTTデータ経営研究所:20081216ニュースリリース)


みなさんは、このデータとそこからのコメント(リリースの内容)を読んで、どのような感想をもたれましたか?

「なるほど、高齢者でもコンピュータのリテラシーは高いんだな」でしょうか。
あるいは、「ちょっと、待てよ・・・」でしょうか。

(中略)

今回知りたかったのは、(中略)「60歳以上のPCユーザー」です。
そして、今回の調査で得られたデータは、上手の濃い青である「60歳以上のPCユーザー、かつ、インターネットユーザー、かつ、インターネットリサーチ登録者」です。
ここで考えないといけないのが、「インターネットリサーチ登録者」の回答が、「60歳以上のPCユーザー」の実態を正しく反映すると考えていいのか?、ということです


初歩的な誤りですよね。初等統計学やリサーチに対する知識がなくても、突っ込めそうな内容です。まあ、ちょっと、脇が甘すぎでしょうか。ただ、このリクツで行くと、PC関係の調査は、郵送とか電話だけしかつかえないはず。でも、そんなに自分を律することができる調査会社ってあるのかなあ?富士通やNECからの注文を拒否する、ネットリサーチ会社ってあるのか興味あるね。

個人的には、いまさら代表性の話をガタガタ言うことに違和感を感じます。だいたい、殆どのリサーチャーは、代表性や誤差のことなど考えて、リサーチなどしないはず。
統計量なんてことば、普段使ったことないよ。

もっと問題だと思うのは、このレポートは、一体何を明らかにしたかったのかってこと高齢PCユーザーの利用実態?会社にいるオジさんたちを見てれば、この程度の結果は、想像つくんじゃない?

常識が確認されましたって?あっそ、そりゃ、よかったね
まあ、調べれば何か結果は出てくるよね。でも、安売りマクロミルでも数十万のコストが必要な調査結果は、結局、常識の上塗りだったんだよね。

簡単に言えば、街頭インタビューをもっともらしく定量的にまとめた内容なんだよね。
だから、消費者の行動に対する何の洞察もないんだよね。
その結果、戦略的マーケティング理論や、消費者行動理論を全く無視したようなレポートなのさ。
ほんと、何とかならんもんかねえ

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