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2017-12-28

新版 問題解決プロフェッショナル―思考と技術



新版 問題解決プロフェッショナル―思考と技術 
齋藤 嘉則 ダイヤモンド社


元マッキンゼーのコンサルが、会社でおこる問題を解決する方法についてまとめた本

ほとんど読まないけど、たまに元戦コンといわれる人たちの、いわゆる業務ノウハウ本的なものを読む時がある。で、彼らの本を読むたびに感心するのは、ソフトスキルの使いこなし方だ。

この本で書いてあるMECE・ロジックツリーを知らないサラリーマンはほとんどいないはず。がしかし、MECEの原則に忠実にしたがい、ロジックツリーで問題を分解し、アクションにつなげることができる人は、一体何人いるのだろうか?とも思う。

MECEもロジックツリーも、表面的には単なる枠でしかない。パワポやエクセルさえあれば、それっぽい図を描くことは簡単。がしかし、大切なことは、目の前の現象や問題を、いかにシンプルに、モレなくダブリなく表現するか?なはず。多くの場合、自分の目の前で起きていることは、多くの人の事情や、歴史的な背景が絡み合い、無意味に複雑になっている。その無意味に絡みあう糸を解きほぐすツールがMECEであり、ロジックツリーなのだ。

がしかし、現実には、多くの人は、自分が扱おうとしている問題を難しいと言いたいがために、意味不明で要因が複雑な図を作る。そのうえ、そういうヤツに限ってパワポをこぎれいに作ろうとする。が、それは無意味。いかに、物事を包括的にシンプルに捉えれるかが大事だ。

といっても、いきなり物事を包括的、かつ、シンプルにとらえることは非常に難しい。で、どうするかと言われれば、ゼロベース思考と仮説思考を使えばよい。いままでの経験にとらわれず、今行っていることの本質的な機能を改めて考え直してみることがゼロベース思考。がしかし、それが本当に正解かはわからない。そこで、PDCAを使いながら、いま考えていることが正解かどうかを常に確認し、アクションを修正することが大事だ。それが仮説思考。

書いてあることは、至極ごもっともなことばかりで、さらりと読める。がしかし、さらりと読めることと、この内容に基づいて自分が現状を把握し、行動できるかどうかは、全く別問題。経験を積み、サラリーマンの垢にまみれて脳の動きが鈍った中年オヤジにオススメしたい

2016-05-09

こころを動かすマーケティング


魚谷 雅彦  (著)
ダイヤモンド社 (2009/8/6)



訳あって読んだ本
荒っぽい言い方をすると、魚谷さんがライオンの営業マンから、MBA留学を経て、グローバル企業の日本トップにまで上り詰めた成功談を、マーケティングという視点から書いてある。

思ったことは二つ。

(1) 一昔前のマーケティングが功を奏した時代の話
(2) 優れたリーダの資質

といったところです。

(1)は、冷たい言い方だけど、書いてある内容は一昔のマーケティングだなあと、本当に強く思った。マーケティング部や宣伝部が、良い(かっこいい)イメージのCMをメディアに大量の投下して、営業部門と消費者をリードする、といった感じだ。最近、この手の販促をする会社が思い当たらないし、見かけない。よく思うのが、CMとかメディアが、かっこいい理想的な消費生活を消費者に提示できなくなった、とよく思う。魚谷さんが活躍していたた時代は、せいぜい10~15年前。実は、そんなに大昔でないけど、彼が駆使したマーケティングが、すごく古臭く見えるのは、この間、それほどまでに世の中が変化した結果なんだろうと思うわけです。

(2)は、魚谷さんが、リーダーとして、関係部署を強力にリードして成功に導いたという体験談のことです。ビジョンを示し、現状に疑問を提示し、みんなを鼓舞し、成功に導く。グローバル本社との板挟みはいろいろあったのでしょうが、自分のビジョンに向かって、関係者をまとめ上げていったということが、すごくよく伝わりました。が、彼が革新的なビジョンをかかげるたびに、部下や取引先が感激のあまりに涙を流したり、称賛の嵐が吹き荒れるのは、本当であれば素晴らしいのですが、何となく出来レース感、あるいは、魚谷さんの専制君主感を逆に感じてしまうというのも事実なのでございます。

正直なところ、僕はゲスな人間なので、成功話を得意げに書かれてもあまり面白くなく、むしろクラフトの時の苦労話のほうが面白かったです

なんとなく、もうこんな牧歌的な時代には戻れないのではないか、という思いを強くした、というのが最終的な感想なのでございます

2014-10-27

ベイズ統計初心者本2冊感想文




史上最強図解 これならわかる!ベイズ統計学 (2012/2)
涌井 良幸 (著), 涌井 貞美 (著)
ナツメ社



図解入門 よくわかる最新ベイズ統計の基本と仕組み (2010/12)
松原望
秀和システム





ベイズ統計初心者本2冊読んでみた
すぐにすたれると思われたベイズ。だけど、微妙なブームが去る様子はまったくない
というわけで、初心者本2冊、さらりと読んでみた

ベイズといえば、統計を勉強し始めて最初のほう、いわばなんとか分布が云々というところでちょっと出てきて以来。練習問題を何題かといてそれっきり。まあ、それは、ベイズ統計というよりも、ベイズの定理だったけど。で、それから、はや十何年。以下、本を読んだ感想

涌井さんの図解最強・・・は、ベイズ統計というよりも、ベイズの定理を、すごく丁寧に説明している。これでわからなかったら、もうどうしようもないと思えるほど。電車の中で立ち読みしながら、暗算で計算方法を追うことができるレベル。かくいう私も、この本の内容を一つ一つ確かめながら読んだら、ベイズの定理が、いったい何者だったのかを、思い出すことができたのであった。ベイジアンネットとか、ベイズ統計学のさわりも、さらりとふれてある。だけど、まあ、かるいご紹介レベルとおもわれる。

松原先生の基本としくみのほうが、やや難しい。最初のほうに、ベイズは簡単ってかいてあったけど、絶対ウソだとおもう。こちらも前半は、ベイズの定理の説明に終始している。だけど、図解最強ほど、懇切丁寧かつ、しつこく解説していない。まあ、かんたんだからこんなんでいいでしょー感が満載か。後半は、ベイズ統計のさわりと応用をさらりと紹介している。事前共役分布(だったか?)をつかうと、かんたんに事後分布を導出できるとか、ベイジアンネットってこう計算するんだよ的な内容が書いてあるけど、淡泊すぎて意味不明。だからといって、マニアックに説明されてもわからないんだけど。まあ、いずれにしても、こんな感じですが、どうでしょう的な内容なわけです

まあ、当たり前といえば、そうなんだけど、この手の本だけで使いこなせるようになるわけでなく、やっぱり、もっと本気度満載なテキストを、それなりにじっくり読んで考える必要はありそうだ。

あと、理論はまあおいておいて、理論を具体例に当てはめた例は、水産系の人たちの話が役に立ちそうな気がする。魚の資源管理の話(どのくらい魚が取れるか?)と、自社顧客の維持(どれくらい買ってくれそうか?カタログの反応率)は、結局同じことだと思うからです。

そうそう、自分が使うとなった時に根本的に疑問なことがある。なにかといえば、STPというかクラスタリングの問題なのです。たいていの場合、わたしは、お客さんがどのクラスターに属するかをいつも考えている。なぜならば、クラスターごとの反応率、言い換えれば尤度は大体わかっているからだ。でも実は、われわれとして一番興味があるのは、どんなクラスターにすると、尤度を最大にできるか?なのだ。その意味で、クラスター定義とは、購買確率に基づいてきめたい。その意味で、クラスター定義は、どっちかといえば、従属変数とか、最適化する相手になる。

だけど、ベイズを使うと、クラスター定義と尤度は所与になる(とおもう)。つまり、とあるお客さんがなにかアクションをしたとき、どのクラスターに属するか?を計算する。だけど、こちらとしては、今のクラスター定義がベターなのかを知りたいのであり、それを置いておいて、どのクラスターに入りそうだといわれても、なんとなくピントがずれている気がしなくもない、と感じるわけです

といったことを、つれずれ考えて読み終わりました。