つきあい方の科学―バクテリアから国際関係まで (Minerva21世紀ライブラリー) (単行本)
R. アクセルロッド (著), Robert Axelrod (原著), 松田 裕之 (翻訳)
ミネルヴァ書房; 〔新装版〕版 (1998/05)
言わずと知れた、社会科学の名著です。たぶん、社会科学と生物学の橋渡しをした最初の本だと思います。
この本のキモは、「なぜ、人は協力行動をとるのか?・あるいは、なぜ社会はかくあるのか?」って所でしょう。
ところで、互恵性利他主義(Reciprocal Altruism)を所与とする社会科学は、とても多いですよね。しかし、互恵性利他主義は、これを所与とするには、あまりにも強力な概念です。というわ けで、この性質自体の成立を問う必要がありるはずです。そして、この互恵性利他主義こそが、社会の本質の一つと言っても良いと思います。
で、そんな、互恵性利他主義の戦略的根拠を解明したのが、この本です。著書は、互恵性利他主義の成立基盤を、囚人のジレンマと言うモデルを用いて 解き明かそうとします。話は変わりますけど、僕にとって、彼が行った囚人のジレンマ選手権は、とられる戦略の合理性を解き明かしたというよりも、戦略を考 えた学者の心理を解き明かしたという方が、しっくりくるんですよね~。
ビジネス書にありそうな表題によらず、素晴らしく科学的な本です。でも、素晴らしく科学的な内容なのにも関わらず、表現自体は、結構、俗人的で親しみやすかったりします。人間の心理に興味がある人は、この手のアプローチを知っていて損ではないと思いますよ。
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