若者の雇用問題を、世代間の利益配分という視点から問題提起した本
貧困とは無縁な社会で、「仕事における曖昧な不安」が若者に渦巻いている、そして、この「曖昧な不安」が、若者の就労意識や行動に、大きな影響を与えている、と著者は主張します。
原因は、バブル崩壊後の雇用調整が、中高年のリストラではなく、若者の就労環境の悪化として現れたことにあります。その結果、正社員への就職すら かなわない若者だけでなく、人員減で過酷な労働を担う、正社員として働く若者までもが、将来への希望が持てなくなっている。そして、将来に希望が持てない ことが、すなわち「曖昧な不安」なのだ、、
従来、若者の失業問題は、就労に対する意識(=やる気)の問題と考えらていました。しかし、著者は、データ分析を用いて、若者の失業問題を、世代間の資源配分の問題として捉えなおします。
ところで、僕は、1997年に初めて新卒として就職しました。そして、今の会社で、3社目です
その間、2回の事業撤退を目の当たりにし、その内1回は、解雇されました。
そんな、サラリーマン人生の多くが、不況の記憶しかない僕は、働くことに若者が希望を持てないという著者の主張は、頷けるものがあります。それと同時に、自分で自分のボスになる、つまり、会社には従属しないという考え方も、凄く共感できます。
高度成長期のように、会社が人生を面倒を見てくれるというのは、古きよき時代の記憶に留めるしかないのでしょう。
0 件のコメント:
コメントを投稿