2008-12-14

戦略的思考とは何か―エール大学式「ゲーム理論」の発想法


戦略的思考とは何か―エール大学式「ゲーム理論」の発想法 (単行本)
アビナッシュ ディキシット (著), バリー ネイルバフ (著)
ティビーエス・ブリタニカ (1991/09)

一般向けのゲーム理論啓蒙書です
ゲーム理論を利用した意思決定方法について、たくさんの具体例を用いて説明しています。でも、さすがに啓蒙書だけあって、ややこしい数式は、一切出てきません。
といいつつも、エール大MBAコースの授業テキストだけあって、説明は、かなり論理的、かつ丁寧です

おそらく、ゲーム理論の一番のポイントは、相手の意思決定という条件下で、自分の意思決定を行う所でしょう。つまり、相手の行う(経済学的な)合理的選択を先読み推量して、自分の利得が最大になる意思決定を行うわけです

世の中、戦略を題したオヤジ本ってたくさんありますよね。おそらく、相手の合理的選択を元に意思決定を行うところが、そこいらのオヤジ本と、この 本との一番の違いではないでしょうか。オヤジ本で言う戦略とは、自分の目的が達するプランを立てることを意味することが多い気がしますので。

ところで、この本、ゲーム理論といいながら、ミクロ経済学の最近の潮流についても、結構、触れられています。聞くところによると、近年のミクロ経済学の発展は、ゲーム理論なしには成し得なかったって事ですから、当然なのかもしれませんけどね。

話題は、ミニマックス定理や、古くて新しい囚人のジレンマ、シェリングの瀬戸際戦略・交渉、アローの社会的選択論、アカロフの情報の経済学まで広がります。こんなに広範囲の話題を、楽しく、かつ分かりやすく書ける著者たちの筆力は、すばらしいの一言です!!


この本を読めば、わざわざエール大学に留学せずとも、MBA並みの戦略的思考を身につけられるかもしれませんよ

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