石油で読み解く「完敗の太平洋戦争」 (朝日新書 57) (朝日新書 57) (朝日新書) (新書)
岩間 敏
朝日新聞社 (2007/7/13)
石油の生産技術や備蓄・採掘マネージメントという視点から太平洋戦争を見つめなおした本。
石油に代表される戦略物資の不足が、敗戦の原因の一つだ!と言うのは、よく聞く話。でも、太平洋戦争で、石油が不足していた量を具体的に論じた話って、聞いた事なかった。
この本では、日本国が戦前に備蓄していた石油から始まり、戦中の民生向け国内石油使用量、はたまた、軍部や政府における石油の供給量・需用量の見通し、そして、敗戦間際の石油備蓄量までも、詳細に論じている。
この本で初めて知った事は、当時の満州に、太平洋戦争を遂行するために十分な産出量を有する油田が存在していたってこと。しかし残念?ながら、当 時の日本の探査技術では、その油田を発見することができなかった。結局、南方油田に頼った日本は、戦局の悪化に伴って、石油の補給ルートが寸断され、ニッ チもサッチも行かなくなってしまった。その後の展開は、周知の通り。
末期の日本は、松の根から代替石油を抽出しようと試みていたそうだ(松根油)。今ならエコな発想かな。だけど、当時はそれくらい追い込まれていた。情けないというやら、必死と言うやら、、、、。
この本の難点を一つ言えば、文章が下手ってこと(他人のことは言えないが)。読み手の能力も低いのだろうけど、いかんせん、文章が読みにくい。軍人の役職名だから仕方ないのかもしれないけど、
「第十三航空艦隊司令長官兼第一南遣艦隊司令長官兼第一〇方面艦隊司令長官」
のような、34個も漢字が連なる役職名を平然と書き連ねていたのには、辟易。あと、固有名詞の表現が一貫していない箇所も、ちらほらあった。実務 家って、この手の下手な文章書きがち。ちゃんと見直して、コンパクトな表現で主張すれば、もっと良い本になるはず。だぁーかぁーらぁー、
ホシ、みっつですぅ~
じゃんじゃん。
0 件のコメント:
コメントを投稿