2011-06-25

サンプル調査

わたくしが勤める会社は、サンプル調査したデータを納品して、お客さんからお金をいただいております。で、ごくたまに(のはず)、お客さんから

「買ったデータの傾向が、俺が知っている現実と違う」

といったクレームを受けることがあります。そんなときには、「まあ、そういうこともありますよねえ」、、、と返したいところですが、この世知辛い世の中、そうそうのんきなことも言ってられません。ということで、そんなクレームに対して、わが社の社員が答えるInformalな常套句があります。それは、、、、

「サンプル調査なので、調べていないところは分からないのです・・・・(=全部調べてるわけでないから、仕方ないでしょ)」

です。で、こんな感じで返すと、調査業界のお客さんはラッキーなことに(統計の教育を受けたことのない)トッポイ営業マン上がりの方が多く、

「あっ、そーーーですよねーーーー、あははは」

と、大体ごまかすことができます。でも、ごくたまに、「それだったら、ちゃんと全部調べろ!」と粘る人もいます。が、それでも、なんやかんやで、大体、一件落着することが多いです。

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がしかし、実は、サンプル調査の本質とは

「全部調べなくても、全体のことがおおよそ分かる」

ということですよね。その意味で、初等統計のテキストに必ず出てくる、平均値の標準誤差(=平均値自体の精度)とか、中心極限定理は、サンプル調査の概念そのものです。調査自体では、必ず社会調査テキストにでてくる、ギャラップの大統領選予測調査も、サンプリング調査の有効性を示した良い例です。

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ということで、わが社の社員が、標準誤差を理解し、いつものの言い訳を戦略的に使っているのであれば、ビジネスマンとして大変立派なのですが、現実的には、そうでないと思われ・・・・。(つまり、いつもの言い訳を、本気で真実だと思っている割合はちょーたかし)

個人的にな話をすると、キャリアの基礎を作ったのは、機械メーカーでした。機械メーカーのお客さんとは、すなわちエンジニア。彼らは、大学院までエンジニアとしての教育を受けて就職、勉強した知識を元に会社で仕事をしてました。だから、機械メーカーでは、仕事をする上で、表面的なウソやごまかしは、徹底的に批判された覚えがあります。

が、今の市場調査業界は、お客さんもリサーチャーも、調査や統計、マーケティング教育を受けてきた人は、本当にごく一部の人たち。だから、その分、ウソやごまかしも(まかり)通りやすく、とっぽさ満載でラッキーなのです、、、、と考えるようにしている毎日なのでした。

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