先週の日曜日は、とても楽しみにしていたNHK特集「シリーズ 日本人はなぜ戦争へと向かったのか ~第4回 開戦・リーダーたちの迷走~」を見ました。
勝つ見込みがないアメリカとの戦争に突入した理由を、軍部の暴走に求める論調って、よく見かけますよね。
でも、個人的には、この論調をぜんぜん納得できませんでした。
というのも、軍人が勝つ見込みもない戦いを、積極的に支持するわけがないと思うからです。軍人は、戦って勝つことによって存在価値が出るはずです。そう考えると、軍人が勝てない戦争をするわけないはず。まあ、だから太平洋戦争は、暴走なのかもしれない。だけど、暴走の中でも、到底ありえなさそうな暴走だという気がして、軍部の暴走論に、いままで納得できたことがありませんでした。
でも、今回のNHK特集の分析は、軍部の暴走論とは一線を画していました。
で、そこがとても面白かった!
日本は、満州事変以降、多大な犠牲を払って、中国を侵略しました。しかし、国際社会は、日本の中国への侵略を許しませんでした。つまり、中国からの撤退を求めてきました。(でも、べつに、中国側の正義を優先したわけではないと思うけど)で、ここで、日本政府は、国際社会との調和を重視するか、あるいは、多大な犠牲を負わせた国民とも約束を重視すべきか、という決断を迫られました。そう、間違った意思決定について、政治家や官僚は、国際社会か、国民に落とし前をつける必要があった。
で、どちらを選んだか?
政治家は、国民との約束を重視しました。
まあ、政治家が、短期益な保身に走ったって事ですよね
ということで、日本は、国際連盟から脱退し、国際社会からは孤立してしまいました。
こうなると、国際社会からの貿易による資源提供を受けられない日本は、ますます資源確保のために、さらなる侵略に走り、そのことが、さらに孤立化と、国際社会との対立に拍車をかけたのでした。
で、だれかが腹をくくって(というのは、中国からの撤兵のこと)、国民か国際社会にワビを入れればよかったものの、だれも責任を取らずに事態が進んだ結果、アメリカとの最終交渉も失敗におわりました。
で、結局、どの軍人(陸軍・海軍)でも勝てると思っていなかった戦争をする以外に、日本が立ち行くすべがなくなったのです。だけど、戦争することも立ち行かない選択肢だったというのは、軍人の間でさえ共通認識だったのですよ、というのが、NHK特集の内容だったのです。
ということで、中国侵略への意思決定自体は結果的に間違っていたのですが、その後の軍部は、まあ合理的な意思決定をしていたんですけど、だからこそ戦争に突入したということのようでした。
個人的には、合成の誤謬のような話で、とても面白かったのでしたー
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