2011-12-17

誰も相手にしてくれない

日経リサーチのHPを見ていたら、偶然、日経リサーチのえらいさんが書いているエッセイを見つけた


調査会社にとっての顧客満足とは
http://www.nikkei-r.co.jp/knowledge/search/2010/09/post-4.html

社団法人日本マーケティング協会が行っている市場調査の満足度調査(「マーケティングリサーチの現状 2008年度 調査報告」)によると、重視点のトップは「コスト」で55%。以下、「リサーチャーの優秀さ」(36%)、「調査結果の分析」「的確な標本調査の実施」(28%)、「タイムリーな調査の実施」(26%)と続く。重視点の中心は、調査会社の基本サービスを示す項目である。「調査結果に基づく提言・インサイト」「調査結果以外を含めた提言・インサイト」は20%以下のスコアにとどまっている。

(中略)

一方、報告書の自由回答を見ると、(調査会社は)「ビジネスを新しくするという気概と試みが足りない。」「マーケティング施策に(調査結果を)どのように応用するか、また、マーケティング施策の方策まで言及できる既存調査会社は少ない。」「課題を理解して調査を実行しようという主体性がみられない。」という厳しい指摘が並んでいる。実際、当社においても、プラス評価をいただく時は、自由回答の内容を実行できていたことが多い。

(中略)

つまるところ、市場調査会社の現状は、「データを情報化する」「データから情報を抽出する」がという機能が発展途上なのだろう。現在の市場調査会社は、顧客から調査データに基づくマーケティング支援、組織マネジメント支援を求められていると考えられる。

(省略)



よく思うのですが、この業界、偉くなればなるほど、業界の位置づけ、あるいは顧客にとっての提供サービスの意義を正しく認識できている気がする。今までの経験によると、偉くなればなるほど、トンチンカンなことを言い出す人が多いのだが、この業界(と、やんわりと表現してみた)は、現場に近づけば近づくほど、なんというか、調査・集計だけで満足する人々が多い気がする、、、、、。

いつも思うのは、データを集めてくることと、データから提言を引き出すこととは、全く別の知識体系が必要だということ。データを集めるためには、すでに確立した社会調査の「理論」を身につけなきゃいけない。一方、集めたデータの何に着目するか?、あるいは、そもそも、どんなデータをあつめるか?は、経営課題に依存する。だから、経営課題を科学的(=論理的)に整理するための方法論を身につける必要がある。で、それは何かといえば、経営戦略・マーケティングだと思うし、これしかないとも思う。

結局、市場調査会社が調査結果に基づいて顧客に提言をおこなとは、「社会科学を基礎におく経営戦略・マーケティングで顧客の経営課題を整理し、数学に基礎を置く社会調査と多変量解析などで集計・分析する。分析結果を、再び、経営戦略・マーケティングに基づいて報告する」ということなのだと思う。そして、現在の調査会社は、経営戦略とマーケティングにノウハウがほとんどないということだと思うし、実感としても、全く、そのとおりだと思う。

まあ、こんなこと言っても、誰も相手にしてくれないけど
そーならそーでいいんだ

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