・アメリカも北朝鮮は譲歩するつもりはない
・同様に、両者とも戦争を望んでいない
・最終的な解決手段として戦争にコミットしている
このような状況を指してチキンレースと言っている。金正恩もトランプも、強気な姿勢を崩すつもりもないが、強気な言葉の端々に、譲歩の可能性も残し続けている
たとえば、昨日、トランプは国連で、金正恩を自殺志願者のロケットマン皮肉った。
ちなみに、トランプの空気を読まない下品なジョークは、そんなに嫌いじゃなかったりする。
CNN Politocs
Trump to UN: 'Rocket Man is on a suicide mission'
September 19, 2017
In blunt terms, Trump warned the US would "totally destroy North Korea" if forced to defend itself or its allies.
He said while the US has "great strength and patience," its options could soon run out.
Directly putting the country's leader on notice, Trump suggested Kim Jong Un could not survive an American attack.
"Rocket Man is on a suicide mission for himself," he said.
Trump to UN: 'Rocket Man is on a suicide mission'
September 19, 2017
In blunt terms, Trump warned the US would "totally destroy North Korea" if forced to defend itself or its allies.
He said while the US has "great strength and patience," its options could soon run out.
Directly putting the country's leader on notice, Trump suggested Kim Jong Un could not survive an American attack.
"Rocket Man is on a suicide mission for himself," he said.
で、これに対する金正恩の返答がこれ
JIJI.com
「太平洋水爆実験」と威嚇=米大統領演説に猛反発-北朝鮮
2017/09/23-00:44
「トランプ(大統領)が世界の面前で私と国家の存在そのものを否定して侮辱し、わが国を消し去るという最悪の『宣戦布告』をした以上、われわれも、それにふさわしい史上最高の超強硬対応措置の断行を慎重に考慮する」と表明。
「妄言に対する代価を必ず支払わせる」と強調した
「太平洋水爆実験」と威嚇=米大統領演説に猛反発-北朝鮮
2017/09/23-00:44
「トランプ(大統領)が世界の面前で私と国家の存在そのものを否定して侮辱し、わが国を消し去るという最悪の『宣戦布告』をした以上、われわれも、それにふさわしい史上最高の超強硬対応措置の断行を慎重に考慮する」と表明。
「妄言に対する代価を必ず支払わせる」と強調した
まさに、売り言葉に買い言葉なのだが、その中でさえ相手に対する配慮というか、もっともらしい言葉を使うならば戦略的オプションが含まれているのがおもしろい。
トランプは、北朝鮮をぶっ壊してやると言いつつも、それもアメリカや同盟国(日本・韓国)が攻撃されたときと条件を提示しているし、アメリカ自身も、まだ我慢の最中だとも言っている
金正恩も、「史上最高の超強硬対抗措置」という、暴走族の落書きを思わせるコメントで威嚇しつつも、その後で、わざわざ「慎重に考慮」と含みを持たせている
戦争なんて、どっちもメンドクサイだけで、何の得にもならないのだが、こういう風にしか表現でいないのを見ると、まるで反抗期のヤンキーが教師に歯向かっているようにも見えて、ある意味ほほえましい。
この状況を見るにつけ、太平洋戦争開戦前の状況がよぎる
日本政府・日本軍にとって、太平洋戦争は望まない戦争だった。日本政府は、明治以来少しづつ拡大してきた朝鮮半島と満州での権益を守ることが、対ロシアの、最も重要な外交テーマであり、ゆずれない一線だった。しかし、満州の権益をめぐる交渉の中で、アメリカと対立し、沢山の交渉を積み上げた結果、太平洋戦争をせざるを得なくなった。まともな軍人であれば、誰一人としてまともに勝てると思っていなかったのにも関わらず。
現実的に考えれば、欧米はもちろん、中国・パキスタン・インドなど核を持っている国はたくさんある。フセインやカダフィーは、核を持っていないがゆえに、体制が崩壊した。北朝鮮の人には申し訳ないが、金正恩の独裁体制が北朝鮮で収まっているうちは、独裁体制は対岸の火事という見方もできる。北朝鮮は、核を放棄するならば見返りを求めるだろう。しかし、核放棄のために見返りを渡す国もない。
荒っぽい言葉のやり取りと裏腹に、一つ一つゆっくりと、そして合理的に交渉材料をつぶしつつあるのが今の状態。ゆっくり物事が進むのはよいことだが、それは同時に戦争する確信を高めているようにも見える。さて、どうなることやら。
久々の長文かつ駄文
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