正直なところ、自分は、異動の対象外だと思い込んでいた。今の会社でも傍流の中の傍流。おまけもいいところ。会社での扱いも、完全におまけだ。そして、いまの状況における事業部門間異動とは、言い換えれば勝ち組であり、つまらない言い方をすればご栄転に相当する、と思われている。
ご栄転とは、主流派が受けるものだと思っていた。主流派とは、プロパーであり、勤続年数が長く、今の所属部署で、広く根を張っている人々のことだ。彼らが信じるヒエラルキーに応じて、甘い汁は配分されるはず、そう考えていたし、それは今も変わりない。その意味で、中途でかつ、傍流中の傍流に置く身としては、ご栄転などあり得ない。自分は、奴らが食い散らかした残りかすにありつければよい方ではないか?そう考えていた。
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今日のお昼前、突然、上役から連絡が入る、午後イチで会議ができないかと。断るすべもない。お昼ごはんを食べ、午後の会議に臨む。会議が始まるや否や上役が開口一番こう言った。
「×××本部へ異動です」
正直、びっくりした。戸惑いを隠せない。
当然だが、別に、今の仕事に未練はない。そして、そのように行動してきたし、準備もすこしずつ進めている。が、異動となると、やや話が変わる。多くの前提条件が変わったと感じる。つまり、新たな価値体系を構築する必要がありそうだ。
7月の異動は小規模になるというお達しが出ていた。そんな、マイナーな異動になぜ、自分が選ばれたのだろうか?しかも、つまらない内輪の価値観からいえば、ご栄転である。皆目見当がつかない。自分では知りえない大きな力が働いたのだろうか。しかし、思い返せば、同じようなことは過去にもあった。日本の事業からの撤退が明らかになった後、その事業の顔役の多くは、その後の転職活動で大きな困難に見舞われた。一方、その時、傍流で日陰者の自分には、なぜかスポットライトが当たり、転職に成功した。確かに、あの時の状況とよく似ている。
当時、成功した理由は明らかだった。それは、自分が信じる価値に基づいて行動してきた。それに尽きる。原理原則を重視し、つまらない情勢や環境、人間関係に、自分の価値観がぶれないことが大事だ。
今回も、同じように行動すべきだと思う
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