2015-06-25

原理主義者

今年の人事異動が発表された

正直なところ、自分は、異動の対象外だと思い込んでいた。今の会社でも傍流の中の傍流。おまけもいいところ。会社での扱いも、完全におまけだ。そして、いまの状況における事業部門間異動とは、言い換えれば勝ち組であり、つまらない言い方をすればご栄転に相当する、と思われている。

ご栄転とは、主流派が受けるものだと思っていた。主流派とは、プロパーであり、勤続年数が長く、今の所属部署で、広く根を張っている人々のことだ。彼らが信じるヒエラルキーに応じて、甘い汁は配分されるはず、そう考えていたし、それは今も変わりない。その意味で、中途でかつ、傍流中の傍流に置く身としては、ご栄転などあり得ない。自分は、奴らが食い散らかした残りかすにありつければよい方ではないか?そう考えていた。


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今日のお昼前、突然、上役から連絡が入る、午後イチで会議ができないかと。断るすべもない。お昼ごはんを食べ、午後の会議に臨む。会議が始まるや否や上役が開口一番こう言った。

「×××本部へ異動です」

正直、びっくりした。戸惑いを隠せない。

当然だが、別に、今の仕事に未練はない。そして、そのように行動してきたし、準備もすこしずつ進めている。が、異動となると、やや話が変わる。多くの前提条件が変わったと感じる。つまり、新たな価値体系を構築する必要がありそうだ。

7月の異動は小規模になるというお達しが出ていた。そんな、マイナーな異動になぜ、自分が選ばれたのだろうか?しかも、つまらない内輪の価値観からいえば、ご栄転である。皆目見当がつかない。自分では知りえない大きな力が働いたのだろうか。しかし、思い返せば、同じようなことは過去にもあった。日本の事業からの撤退が明らかになった後、その事業の顔役の多くは、その後の転職活動で大きな困難に見舞われた。一方、その時、傍流で日陰者の自分には、なぜかスポットライトが当たり、転職に成功した。確かに、あの時の状況とよく似ている。

当時、成功した理由は明らかだった。それは、自分が信じる価値に基づいて行動してきた。それに尽きる。原理原則を重視し、つまらない情勢や環境、人間関係に、自分の価値観がぶれないことが大事だ。

今回も、同じように行動すべきだと思う

2015-06-14

遺伝子の不都合な真実


遺伝子の不都合な真実
~全ての能力は遺伝である~
安藤 寿康 (著)



久々に、学者が書いたまじめな本を読んでみた。近頃、仕事しかしていないようで頭が悪くなってきたらしく、かなり読みにくかったけど、以下、読んだ感想もろもろ。

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ホリエモンが、金持ちであろうが貧乏人であろうが、勉強しさえすれば東大にだれでも合格できる、といった類のことを言った記憶がある。

彼らしい言い方だ。この、あまりのナイーブさが、強く人を引きつける一方、強く人に拒絶される原因なんだろうとよく思う。

多くの人は年を重ねるに従い、親の行動特質、あるいは性格を、わが身の行動に見ることが少なくないように思える。自分のことで振り返ってみる。父親の性格を一言でいえば、頑固で忍耐強いというのが長所だ。短所は、当たり前だけど、融通が利かず、その場の状況に応じて柔軟に対応することができない。一方母親は、見事に逆の性格。忍耐など持ち合わせいていないけど、悪く言えば何でも適当、よく言えばその場の状況に応じて柔軟に何でも対応でき、社交的だ。そんな二人、夫婦生活がうまくいかないのは当然のこと、、、というのは身内の話。

年を重ねるにつけ、両親の性格が自分に内在していることを強く感じることが多い。

職業柄、議題を整理して分析内容を明らかにしたり、その先、忍耐強くプログラムを書き、モデルを作り、主張すべきポイントをまとめ、分かりやすい資料を作り報告する、、といった作業を日々行う。この作業で最も重要な素養は、頭の良さというよりも、忍耐強さだ。支離滅裂な議論の見通しをつけ、分析に耐えうる内容に昇華する、、、など、どんなに頭が良くても辛抱強くなければ務まらない、と思う。で、次に重要なことは、楽観性と愛嬌だ。いろんな人がいろんなことを、その時の気分で何かを言うので、その時点の課題が何か?、そして、どんな結論を出すべきか?といったことがあいまいなことが多い。そして、まじめに考えると、正直なところ、どんな結論がでると、多くの人が納得するかも未知数だ。そんな曖昧な状況で、しかも十分な時間もデータもない中で、エイヤーと結論を出すには、いろんなことをあるところであきらめ、結論を出してしまう勇気が必要なのだ。そして、それには楽観的でなくてはならない。さらに、報告するときも重要だ。正直、イマイチな報告であっても、オーディエンス、あるいや経営層が許してくれる時とそうでない時がある。報告内容にケチがつき炎上するのは、まあ最悪な展開。なんら建設的なことは生まないし、物事も前に進まない。だけど、イマイチな内容だったとしても、なんとなく報告者の人柄、あるいは愛嬌で、前向きな雰囲気がうまれ、その報告が次のアクションにつながることがある。そして、それはそれで成功なのだ。

そんな、忍耐強く報告内容をまとめる自分の中に父親の幻影を見るし、報告時によくわからないことを、適当に愛嬌でごまかそうとする自分の中に、母親の影響を見ることがある。これを、遺伝の影響か、環境の影響といわれれば、正直、よくわかない。だけど、なんとなくだけど、環境の影響に注目するならば、ものすごく多くの時間を過ごした学校教育の影響は、自分の行動特性に全くなかったと言い切れる。なぜならば、自分の行動は、先生よりも両親に似ている気がするからだ。学校教育は、親の性質のベースがあってのものだという気がいする。

よく考えてみれば、運動や体型で親の遺伝の影響を否定する人はいない。なぜならば、それは見ればだれにとっても明らかだから否定しようがない。美人の親の子供は美辞任に決まっている。そう考えると、性格や行動だけが似ていないというのを否定するのには土台無理がある。

といったごく当たり前のことが書いてある本。言い換えれば、努力する内容にも、向き不向き、あるいは報われるものと報われにくいものがあり、それは人によって違うということ。当たり前かもしれないけど、努力すれば何人にでもなれると喧伝する教育者にとっては不都合な事実かもしれない。さらに、社会の側が、稼げる才能と稼げない才能を峻別せざるをえないとするのであれば、生まれながらにどの程度稼げるか稼げないかが大体決まってくることになり、それがもう一つの不都合な真実なのかもしれない。

久々に分析について

久々に分析そのものについて書いてみる

銀座で働くデータサイエンティストのブログ

UCI機械学習リポジトリのデータ(など)で遊ぶ(3):クレジットカードの加入審査データ


ご本人さまは存じ上げないのですが、というか、世の中のほとんどの人は、そもそも他人なのですけど、この方は、僕のような俗人データ分析者では足元にも及ばないような、データサイエンティストの中でもトップクラスのお方のようです。で、以下、自分の体験談とともに感想。

自分でも、職種がら、時間があるときにこの手の分析をやる時がある。で、僕の場合、データを整形するのは、もっぱらSQL。それを、サーバーにあるDB2に読み込ませ、データをcsvとして出力する。最後に、SASサーバーにcsvを保存して、元データを転置したり、欠損値を補完したり、入ってしまったごみデータを削除したりして、最後の最後にいくつかのモデルで計算して結果を比較しますね。どの計算方法を使ってみるかは、正直、どのアプリを会社が契約しているか次第。今は、SAS EMを契約しているので、ロジスティク回帰と勾配ブースティング(正式名称は不明)、ニューラルネットといったところでしょうか。他にも、いくつかありますが、使い方はよくわかりません。なお、今の会社は、PCは会社のものという認識なので、勝手にRのようなフリーソフトを入れることはご法度なのです。しかし、よく思うのですが、Rをビジネス用途でつかっても良いのでしょうか。

こういう言い方が正しいかわからないけど、2値判別問題を計算するとき、どのくらいのモデルで正解とすべきか?が、正直、自分の中でよくわからない。言い換えれば、これらは予測ものなので、どの程度過去データに当てはめれば合格と言えるのかが、よくわからない。なぜならば、いつも、たった一人で計算しているから。

なんとなくだけど、変数をうまく変換し、欠損値を保管してやると、今いつも使うデータならば、ROC曲線以下面積で0.9位は、まあ簡単にでる。そして、簡単にでるので、これでいいのかなーとよく思う。けど、比較対象がないので、よくわからない。で、この方の計算結果を見ると、正答率が0.9位になっているので、まあ、出して恥ずかしくないレベルがこの辺なのかなーと初めて合点がいったのでございました。

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よく思うけど、マーケティング関連で、SASなりRなりだけを使って分析する人は恵まれているなあと。自分の場合、仕事の9割くらいは、ちょっとしたクロス表で話のケリがつく。もちろん、丁寧にやろうと思えば、モデルを使おうになるんだろうけど、依頼者(経営層や商品企画)の肌感覚や理解度、知りたい欲求度合を考えると、すでに手あかがついている変数で、ちょちょっとSQLをいじり、エクセルでクロス表や、気を利かせてこぎれいなグラフをパワポにはってコメントを書いてあげれば、だいたい要望を満たすことができる。となると、モデリングなんかめんどくさくってやってられない。逆に言えば、モデリングをしないことには解決できない深淵かつ興味深いテーマだけど分析できる方は、なんて恵まれた環境にいるのだろうと、日々、うらやましいばかりなのでございます

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さらに話は続く。

実は半年強くらい時間をかけて、某社とモデリング系の分析コラボをやった。正直な話、どんなに長くても2か月くらいで終わると踏んでいたのだが、人に言うと、罵詈雑言があふれ出てしまうような理由で、ここまでの時間がかかってしまったのだ。まあ、自分がお人好しなのが悪いので、それはよい。で、思ったのが、やっぱり問題意識って大事だよなってこと。基本、コラボ先で計算してまとめてもらうテイだったのだけど、なんというか、業界に対する知識が少なく、かつ、今回のような分析(STP)に対する経験も少ないようで、コラボ先企業の結果たるや惨憺たるもので、やり直した数は知れず、何とかたどり着いた結論さえ社内に公表することができないレベル。そして、結局、自分で作り直すハメに陥る・・・

まあ、仕方ないといえば、そうなんですよ。だって、よその会社のビジネスに何かを言うんだから。よその会社のことなんて、ちょっとデータを見たってわかるわけないから。そして、きっと、自分も、よその会社の分析をしていた時は、こうだったんだろうなあ~と感慨深くなったのでありました。