日本企業が復活するためには、労働の流動化は必須
http://blog.goo.ne.jp/mit_sloan/e/c4846ca55fbb081c301a8b44875ef64a
Lilacさんの主張をまとめると、こういうことか。
技術体系と組織体系は一体化している
技術体系は組織能力に従属している
したがって、イノベーションは組織(能力)の制約下でしか起こりえない
かつて利益の源泉だった技術にエンジニアが固執してしまい、イノベーションを生み出せないことが多い。というのも、利益を生んだ技術をサポートした組織体系が、イノベーションのボトルネックになっているからだ。だから、イノベーションを起こすためには、大掛かりなリストラを断行するか、技術をもった社員をスピンアウトさせるしかない。したがって、起業するインセンティブを整備することは重要だ
技術体系は組織能力に従属している
したがって、イノベーションは組織(能力)の制約下でしか起こりえない
かつて利益の源泉だった技術にエンジニアが固執してしまい、イノベーションを生み出せないことが多い。というのも、利益を生んだ技術をサポートした組織体系が、イノベーションのボトルネックになっているからだ。だから、イノベーションを起こすためには、大掛かりなリストラを断行するか、技術をもった社員をスピンアウトさせるしかない。したがって、起業するインセンティブを整備することは重要だ
たしかに、ありがちな話だ。現実的に考えても異論はない。
でも、しかし、どこか本質的でない気がするし、技術が組織に従属するってのは常識的すぎて面白みがない。
この主張には、エンジニアが既存技術に固執してしまう理由に対する考察が欠けている。つまり、なぜ、既存技術や、それをサポートする既存の組織体系の維持にエンジニアが固執するのか?ということ。Lilacさんは、理系で人を取り巻くシステムに人の動機が埋め込まれると考えるようですから、「エンジニアは保身的な人種だから」、と言う理由はお好みでないでしょう。
では、なぜか?
おもうに、技術や組織が何のために存在するか?が明確でないからだろう。
マーケティング的にに考えれば、顧客ベネフィットに基づく事業ドメインの定義や周知が不徹底だということだ。技術や組織は何のためにあるのか?
究極的に考えると、顧客のベネフィットを実現するためにある。平たく言えば、お客さんの笑顔を見るために、技術や組織がある。とすれば、お客さんが喜ぶのであれば、どんな技術を使おうと、どんな組織体系を構築しようと関係ない。エンジニアが固執すべきは、お客さんの笑顔にであって、技術や組織体制ではないからだ。顧客ベネフィットを本当に重要だと考えているなら、顧客ベネフィットを実現するための新技術導入や組織体系の変革に反対する理由などない。
そう考えると、既存技術や組織にこだわるということは、顧客ベネフィットに基づいて技術開発や組織変革をしていないということになる。だから、考察すべきなのは顧客ベネフィットに基づいた技術開発や組織体系の構築を、どうしたら上手く進められるか?ではないのか。そして、この要因の考察を保留したまま「既存組織の制約と社員スピンアウトの必要性」についてLilacさんが主張しているから、説得力はあっても、論理的とは思えない主張になっているのだと思う。
といっても、顧客ベネフィットに基づいたドメイン定義や技術・組織戦略の構築は、現実的には不可能なのかもしれない。だから現実的な対処法としては、Lilacさんが言うとおり、社員に企業を促すのがベターなのかもしれない。
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